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90年代のロウファイ・ムーヴメントから登場し、当時、その中心地だった佐々木敦氏のレーベルUNKNOWN MIXから作品を発表する予定がレーベルの活動休止により頓挫、しかし、その作品は現在も製作を続けられ、日本アンダーグラウンド界のサグラダ・ファミリアとして密かに語られ続けているサイトウエレトリコ。彼は、ジョン(犬)のほとんどすべてのコンセプトを生み、その後も影のプロデューサーとして存在しているなど、作品こそほとんど表に現れていないものの、その才は音楽家たちにこそ高く評価され続けています。そのソロ・スタジオ作の完成はもうすぐと噂されていますが、現在聞ける彼の作品は、やはり円盤から'15年に発表されたライヴ盤のみ。それが「二度と同じフレーズが登場しない」狂気のプログレッシヴ・サウンドを体現する、ライヴ用バンドがサイトウエレトリコグッドサウンド。
本作は、そのバンドの2枚目のやはりライヴ盤になるのですが、ライヴと言いつつ、前作同様、執拗に執拗を重ねたカットアップ編集がされ、そもそも1曲がほとんど1分以下のプログレッシヴ・パンクな彼らのスピード感がさらに圧縮され別種の爆笑したくなるような狂気が横溢しています。大問題作です!!
本作のメンバーは、サイトウエレトリコ(b)、ジョン犬(synth)、小林ヤスタカ(入谷なってるハウスの経営者です。sax)、富山彰子(台湾で大人気だったスカバンドみみーちゃんのメンバー tb)、遠藤正暁(ds)。録音は相対性理論やメディア・アート・ユニットd.v.d.で知られるイトケン(彼は前作ではメンバーでした)。